学会・検討会・歯科医師会

災害時医療講習会

こんにちは。

目白バイオインプラントセンター・

椎名町田中歯科クリニックの田中宏和です。

 

先週豊島区歯科医師会館にて、

災害時医療講習会を2日間に渉って

受講してきました。

もちろん関東で、東京で大地震(震度6弱が目安)

などの災害が起こる・・・なんて考えたくは

ありませんが、もし起きてしまった場合に

我々医療人はどうするべきか?

を常に想定しておかなければなりません。

 

講師はトリアージの時と同じ

(大災害の際、治療の優先順位を決める)

日本歯科大学生命歯学部の法医学講座の

岩原先生に来ていただいて、講義を受け

実際に被災地でご遺体が見つかった場合、

どこの誰なのか?を歯科医学的に判定する

というシュミレーションの実習を行いました。

 

もちろんDNA検査によってその方が分かる場合も

ありますが、焼死体であったり

死後数か月が経過して腐乱してしまっている

場合は、口腔内の特長や歯の治療痕が決め手に

なることも多いのです。

残念ながらご遺体となってしまっても

できるだけ早くご家族の元に返してあげたい

わけです。

 

シュミレーションでは、実際に

東日本大震災の際に○か月後に発見された

ご遺体の口腔内の写真を元に

治療痕のチャートを作ったものです。

 

これが間違って作られた場合は、

2度と同じ検査を行わないので

ご本人と断定できないため永遠に

ご家族の元へ帰れないことになるので、

判定も2人の歯科医師によって行われ、

(レジンやセラミックなどの白い充填物は

 見逃してしまう可能性もあります)

3人目の歯科医師が記入をして

清書をして警察に提出します。

 

私も開業してから4人の方のご遺体の

口腔内の写真や入れ歯の現物を警察の方が

持ってきてカルテやレントゲンと

照らし合わせて確認をさせていただいた事が

あります。

お一人は独居の方で、身寄りも無く

ご自宅で亡くなっていたので

まず間違いはないだろうとの事でしたが、

それを証明する人がいないわけですし

(死後数か月経過していたのでお隣の方に

 お顔を確認してもらうなんてできませんし・・)

その方のお財布からウチの診察券が出て

きたので、入れ歯だけをご遺体から外して

警察の方が持ってきて頂いたので

「あ~ これは間違いなく私のところで作ったもの

 ですね」

と証言しサインしました。

 

豊島区歯科医師会は公益法人を謳って

おりますので、このような大震災が起こった

時や、身元不明のご遺体があった場合は

警察と提携して身元確認に協力します。

歯科医師会に入っていない先生には

ぜひ医療人としての使命感を今一度

考えていただきたいものですね。(^^♪