学会・検討会・歯科医師会

学術講習会

こんにちは。

目白バイオインプラントセンター・

椎名町・田中歯科クリニックの田中宏和です。

 

先日、豊島区歯科医師会で行われた

学術講習会に出席してきました。

同じ歯科医師でもインプラントをやらない

先生も多いため、今までも学術講習会というと

歯科医師会では、みんなが興味を持てるテーマ

を考え、講師の先生を選んでお呼びして

いるので、演題はどうしても

レジン(合成樹脂の詰め物)や入れ歯、

根管治療、歯周病というありふれたものになって

しまいがちで、

(それでもその分野の権威の先生のお話は

 必ず得るものがありますが・・・)

診療を終えた後の会館に出向いて

2時間くらい勉強するのはちょっと引いて

しまうところがあるのですが、

今の学術の担当理事が若くて勉強熱心なことも

あり、今回のテーマは歯の移植とインプラント。

非常に楽しみにして出かけたのでした。(^^♪

 

私が学生だった30数年前は、

大学の講座にインプラント科は

ありませんでした。

当時はインプラントをやっている歯科医院も

少ないし、なんか胡散臭いものと

認識されており、一部の口腔外科の先生が

積極的にインプラントに取り組んでいましたので

臨床見学の際は私はいつもその先生に

くっついてそして食い入るように

見学させてもらっていました。

 

講師は東京科学大学(旧東京医科歯科大学)の

口腔機能再構築講座・口腔再生学分野の

丸川恵理子教授です。

権威ある国立大学の教授よりも私のほうが

年上になってしまったのですね・・・

なんて少し複雑な感情も抱きつつも!?

前の方の席に陣取り、症例写真などを

食いいるように拝見しました。

 

インプラントと一言で言っても

数十種類のメーカーのものが

ありますし、骨幅も長さも十分にある・・・

なんてケースは少ないです。

何かしらの原因があってその歯を喪失して

しまったわけですから、骨がインプラントを

埋入するのに必要十分で無い場合、

どこからか骨を持ってくるかして

(自家骨移植です。大学病院などでは腸骨、

 腰のところの骨を採取して、口腔内に補てん

 したりします。もちろん開業医では無理です)

人工骨やゴアテックス(メンブレン)などを

用いて骨を作る必要があります。

 

その他、今は必要に応じて歯の移植という

選択もあります・・・ということで

親知らずとか不要な

(その人の咬み合わせに関与していない歯)

歯を必要なところに移植して10数年・・・

という症例もいくつか見せていただきました。

移植した歯は5年持ったら成功、

と言われている中で、10年以上の症例が

たくさんあるのは、さすが口腔外科の教授

ですね~

もちろん、1人1人その歯の状態や

ドナーとなる歯と移植する部位の骨の状態

の2つが合致しないとうまくいかないわけで

さらに治療期間もインプラントと比較して

非常に長く掛かります。

やはりインプラントの方が将来の予知性が

高く見込めるので、私ならここは

インプラントの方がいいなぁ、なんて

思いながら聴いておりました。(^^♪

大学病院の先生は診療だけでなく

研究という仕事もあるので

(もちろん若い先生や学生の教育も)

患者さんにリスクも含めた納得を

していただいた方しかできませんが、

こういったチャレンジ的な診療を行うことも

歯科医界の発展という大義名分もあるので

できるのですね。

開業医ではリスクが大きすぎて出来ないよな・・・

(技術的にではなくです)

なんてケースも幾つか見せていただきました。

 

2時間弱の時間があっという間に感じるほどでした。

興味深いお話をありがとうございました。