ブリッジとインプラントの相違について
こんにちは。
目白バイオインプラントセンター・田中歯科クリニックの
田中宏和です。
本日は1歯欠損の場合についてお話します。
ほんのひと昔ぐらい前までは、1本の歯を不幸にして
失った場合、ブリッジという方法が当たり前のように
行われていました。
失った前後の歯を削って橋渡しをする・・・
比較的簡単な方法で、今でもインプラントを選択肢に
持たない歯科医はこれを多用しています。
治療も早く終了しますし。。
しかし、何の罪もない歯を削りいくら上物をきれいな良い
材質で作っても問題点があります。
1つは歯の表層で頑丈なエナメル質という硬組織を
削って失ってしまうこと・・・
エナメル質は歯をいろんな細菌や外敵から守ってくれる
役割があるのです。羊の毛ならまだしも削った硬組織は
2度と戻ってきません。
鎧をはぎ取られた歯の寿命は著しく短くなってしまいます。
もうひとつは、画像のような3本ブリッジの場合、
2本の歯で3本分を負担することになります。
それぞれの歯に単純に1.5倍の(実際はそれ以上)
力がかかり続けることになります。
想像してください。。
例えば自分の体重が1.5倍になったとしたら・・・
とりあえず普通に生活することはできますよね?
しかし長くそのままでいれば腰や膝が負担過重になり
身体が悲鳴をあげることになるでしょう。
いつか不具合が出ることは必至です。
これは歯にも同じことが云えるわけです。
ですから1番のおススメは、1歯欠損であっても
インプラントですね。
このケースの場合は欠損した歯の奥の歯の詰め物も
脱離したため、患者さんの都合もあり
詰め物をシルバーにしたのは少し残念なのですが・・・
完成した画像です。
手前の糸切り歯(犬歯)も削る必要がありません。
これならばブリッジのように3本の歯が一体化していなくて
1本1本の歯にそれぞれ適正な加圧がかかるため
比較的安心して予後を診ていくことができます。
もちろんいろいろな都合でブリッジを選択さぜるをえない
場合もありますが、ブリッジの場合は支えている
2本のうち、どちらかにトラブルが生じても
全部はずさなくてはいけない、など
最初のうちは良くても、後々にトラブルが起こってくる
ケースが非常に多いです。
そうなってしまうとまた1から~に戻るのではなく
マイナスからのスタートになってしまいます。
インプラントは決して安くはありませんが
私はみなさまには10年後、あるいは20年後の事も
考えていただいて、治療法を選択していただくように
いつもお話しております。
みなさま、よい週末をお過ごしくださいませ。